【書評】「嫌われる勇気」現代人の心を解放する、アドラー心理学の真髄!

【書評】「嫌われる勇気」現代人の心を解放する、アドラー心理学の真髄!
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「嫌われる勇気」という挑発的なタイトルが目を引くこの本。

発売から10年以上経った今でも多くの人に愛され、自己啓発書の金字塔として君臨し続けています。

著者の岸見一郎氏と古賀史健氏は、フロイト・ユングと並ぶ心理学の三大巨匠の一人、

アルフレッド・アドラーの思想を、哲学者と悩める青年の対話を通して解き明かしていきます。

目次

嫌われる勇気

複雑な現代社会で生きづらさを感じている人、人間関係に悩む人にとって、

「嫌われる勇気」は、まさに心の処方箋となる一冊と言えるでしょう。

本記事では、「嫌われる勇気」 で展開されるアドラー心理学の世界をさらに深く掘り下げ、

そのエッセンスを5つのポイントに絞って解説していきます。

1. 「トラウマ」は存在しない: 過去の呪縛から解放される

アドラー心理学は、フロイトが提唱した「原因論」を真っ向から否定します。

原因論とは、「過去の出来事が原因で現在の自分が形作られる」という考え方。

例えば、「幼い頃の親との関係が原因で、私は自己肯定感が低い」といった具合です。

アドラーは、過去の経験によって現在の自分が決定づけられるという考え方を「決定論」と呼び、

「人は過去の原因に縛られるのではなく、未来の目的のために生きている」と主張します。

つまり、あなたが自己肯定感が低いのは、過去の親との関係が原因なのではなく、

「今の自分が変わりたくない、現状維持したい」という目的のために、

過去の経験を都合の良いように利用しているだけなのかもしれません。

アドラーはこれを「目的論」と呼び、人は皆、目的のために生きていると説きます。

2. 全ての悩みは対人関係: 「課題の分離」が人生をシンプルにする

「仕事の悩み」「恋愛の悩み」「お金の悩み」…。

私たちは様々な悩みを抱えながら生きています。

アドラー心理学では、「全ての悩みは対人関係の悩みである」と断言します。

例えば、あなたが仕事で大きなミスをしてしまい、上司に怒られたとします。

その時に感じる「自分はダメな人間だ」という劣等感は、上司との関係性の中で生まれているものです。

また、「お金がない」という悩みも、

他人と比較して「もっとお金が欲しい」という気持ちが根底にあるのではないでしょうか?

アドラーは、対人関係の悩みを解決するために「課題の分離」という考え方を提唱します。

これは、「自分の課題」と「他人の課題」を明確に区別することです。

例えば、子供が勉強しないという問題に対して、

「子供が勉強しないのは親の責任だ」と考えるのは、親が子供の課題に介入している状態です。

アドラー心理学では、「勉強するのは子供の課題であり、親の課題ではない」と捉えます。

子供が勉強しないことで損をするのは子供自身であり、親が責任を感じる必要はないのです。

親がすべきことは、子供の課題に介入することではなく、

「子供が勉強したくなるような環境作り」や「勉強の楽しさを伝える」といった、

あくまで 「自分の課題」 に集中することです。

「課題の分離」を意識することで、私たちは不要な責任やプレッシャーから解放され、

よりシンプルで自由な人生を送ることができるようになります。

3. 承認欲求を否定する: 他者からの評価に依存しない生き方

私たちは、「他人から認められたい」「褒められたい」という承認欲求に囚われがちです。

しかし、アドラー心理学では、この承認欲求を否定します。

他者からの評価に依存してしまうと、常に他人の顔色を伺い、

自分の本心を押し殺して生きるようになってしまいます。

アドラーは、「褒めること」も「褒められること」も、縦の関係を生み出す行為であると指摘します。

例えば、上司が部下を褒める場合、

そこには「能力の高い上司」と「能力の低い部下」という上下関係が暗黙のうちに存在しています。

褒めることで相手をコントロールしようとしたり、

褒められることで自分の価値を認めさせようとしたりするのは、

「他者の人生」に介入し、自分の承認欲求を満たそうとする行為です。

アドラー心理学では、「横の関係」を築くことが重要であると考えます。

横の関係とは、上下関係や競争意識のない、対等な関係のことです。

4. 貢献感こそが幸福: 共同体感覚で人生に意味を見出す

では、アドラー心理学が目指す「幸福」とは何でしょうか?

アドラーは、幸福とは「共同体感覚」を持つことであると定義します。

共同体感覚とは、「自分は社会に貢献できる存在である」という感覚です。

他者貢献というと、何か特別なことをしなければいけないと感じるかもしれません。

しかし、アドラー心理学における他者貢献は、もっと身近で日常的なものです。

例えば、家族のために食事を作ったり、職場で自分の仕事をまっとうしたりするのも、

立派な他者貢献です。

大切なのは、「自分は役に立つ存在である」という実感を持つことです。

他者貢献を通して共同体感覚を育むことで、私たちは「人生に意味がある」と感じ、

「ありのままの自分」を受け入れることができるようになります。

5. 人生は点の連続: 「今ここ」に集中する

アドラー心理学では、「人生は線ではなく、点の連続である」と捉えます。

過去にどんな辛い経験があったとしても、未来にどんな不安を抱えていたとしても、

「今ここ」に集中することで、私たちは「自由」になることができます。

過去はすでに過ぎ去ったものであり、未来はまだやってきていません。

私たちがコントロールできるのは、「今この瞬間」だけです。

「今ここ」に集中することで、私たちは過去の呪縛や未来への不安から解放され、

「ありのままの自分」で生きることができるようになるのです。

まとめ: 「嫌われる勇気」で人生を変える

「嫌われる勇気」は、アドラー心理学の「常識」を覆すような主張が満載の一冊です。

しかし、その根底にあるのは、「人は誰でも幸せになれる」という温かいメッセージです。

本書で紹介されている「課題の分離」「共同体感覚」といった概念は、

私たちの「生きづらさ」を解消し、より自由で幸せな人生へと導いてくれるでしょう。

ぜひ本書を手に取り、あなたの人生を変える「勇気」を見つけてください。

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