「老後資金2000万円問題」や物価高騰など、お金の不安が尽きない現代。
そんな中、2024年から始まった「新NISA」は、
投資初心者にとって資産形成の大きなチャンスとして注目されています。
「新NISAってなんだかお得そうだけど、投資は難しそうで不安…」
そんな風に感じている方もいるのではないでしょうか?
実際、新NISAは制度が拡充され、より使いやすく進化したものの、投資には失敗がつきもの。
せっかく始めた新NISAも、結局途中でやめてしまう人が後を絶たないのが現実です。
そこで今回は、新NISAでありがちな失敗パターンを5つ解説し、
失敗を回避するための具体的な対策をご紹介します。
新NISAで着実に資産を築き、将来のお金の不安を解消するために、
ぜひ最後まで読んでみてください!
なぜ新NISAで失敗してしまうのか?5つの落とし穴
新NISAの失敗パターンは、大きく分けて以下の5つに分類できます。
1.情報源はインフルエンサー頼み
2.激甘シミュレーションを盲信
3.本能的な感情に流される
4.「うまくやろう」としてしまう
5.周りの行動に流される(ハーディング現象)
これらの失敗パターンには、共通する根本的な原因が潜んでいます。
それは、「投資の知識不足」と「曖昧な投資目標」です。
それでは、それぞれの失敗パターンを詳しく見ていきましょう。
失敗パターン1:情報源はインフルエンサー頼み
InstagramやYouTubeなどのSNSで、
「新NISAは〇〇を買うべき!」「絶対に儲かる投資術!」といった情報を見かけませんか?
確かに、S&P500や全世界株式(オルカン)といったインデックスファンドは、
分散投資効果が高く、長期投資に適した投資対象として広く推奨されています。
しかし、インフルエンサーの言葉を鵜呑みにして、
投資対象の特性やリスクを理解せずに投資を始めるのは非常に危険です。
投資には必ずリスクが伴います。
特に株式投資は価格変動が大きく、短期間で大きな損失が出る可能性もあります。
2024年前半は、円安・株高という「誰でも儲かる」相場環境が続きましたが、
7月~8月にかけては世界的な株安と円高が同時に起こり、多くの投資家が損失を被りました。
特に、インフルエンサーの情報を頼りに投資を始めたばかりの人は、
投資経験が浅く、知識も不足しているため、
下落相場に耐えられず、狼狽売りに走ってしまったケースも多いようです。
インフルエンサーの意見を参考にすることは悪いことではありませんが、
最終的な投資判断は自己責任で行う必要があります。
【対策】
・複数の情報源を参考に、投資対象の特性やリスクを自分自身で理解する
・信頼できる書籍やウェブサイトで投資の基礎知識を学ぶ
・投資経験豊富なファイナンシャルプランナーなどに相談する
失敗パターン2:激甘シミュレーションを盲信
投資を始める前に、将来の資産額をシミュレーションする人は多いでしょう。
毎月3万円を年利5%で30年間積み立てると、
元本1080万円に対して、運用益が1058万円、合計で2138万円になる!
このようなシミュレーション結果を見ると、新NISAで大きな資産が作れると期待を抱くかもしれません。
しかし、このようなシミュレーションはあくまでも「期待リターン」に基づいたものであり、
必ずしもその通りになるとは限りません。
現実の市場では、経済状況や企業業績、世界情勢など様々な要因によって価格が変動し、
期待リターン通りに運用できることは稀です。
むしろ、大きな下落局面に遭遇する可能性も十分に考慮しておくべきでしょう。
例えば、全世界株式の期待リターンは年率5%程度と言われていますが、
リスク(価格の変動幅)は年率19%程度もあります。
これは、1年後には平均値からプラスマイナス19%以内に68.3%、
リスクの2倍以内(プラスマイナス38%)に95.5%の確率で収まることを意味し、
100万円投資した場合、1年後には67万円まで下落する可能性もあれば、
143万円まで上昇する可能性もあるということです。
【対策】
・シミュレーションは参考程度にとどめ、リスクも踏まえて現実的な投資計画を立てる
・投資期間を長期に設定し、短期的な値動きに惑わされない
・余裕資金で投資を行い、生活に支障が出ないようにする
失敗パターン3:本能的な感情に流される
投資は、冷静かつ論理的な判断が求められます。
しかし、人間は感情的な生き物であり、どうしても本能や感情に流されてしまうことがあります。
特に投資においては、「プロスペクト理論」と呼ばれる心理効果が働きやすいと言われています。
これは、人間は利益よりも損失を強く感じるというものです。
例えば、1万円儲かる喜びよりも、1万円失う苦痛の方が大きく感じるため、
含み損を抱えると、冷静さを失い、損失を確定したくなる心理が働きます。
また、反対に含み益が出ている時は、「もっと利益が欲しい」という欲が出てしまい、
売却のタイミングを逃してしまうこともあります。
このような感情的な行動は、長期的な投資成果を損なう可能性があります。
【対策】
・感情に流されず、事前に決めたルールに従って投資を行う
・長期的な視点で投資を行い、短期的な値動きに一喜一憂しない
・「損切り」と「利確」のルールを明確化しておく
・投資日記をつけ、自分の感情と向き合う
失敗パターン4:「うまくやろう」としてしまう
投資を始めたばかりの頃は、インデックスファンドなど、比較的リスクの低い投資対象を選びがちです。
しかし、投資に慣れてくると、
「もっと高いリターンを得たい」「周りの人よりも上手く投資をしたい」という気持ちが芽生え、
個別株やFX、仮想通貨といったハイリスク・ハイリターンな投資対象に手を出し始める人がいます。
また、「相場を読めるようになれば、もっと利益を増やせるはず!」と考え、
テクニカル分析やファンダメンタルズ分析を駆使して、売買のタイミングを計ろうとする人もいます。
しかし、投資のプロでさえ市場の動きを完璧に予測することは不可能です。
ましてや、知識や経験が不足している初心者が「うまくやろう」としてしまうのは、
非常に危険な行為と言えます。
【対策】
・自分自身の投資スキルやリスク許容度を冷静に判断する
・長期投資に適したインデックスファンドを軸に、無理のない投資を行う
・投資の勉強を継続し、知識と経験を積み重ねる
・「一攫千金」や「短期的な利益」を狙わない
失敗パターン5:周りの行動に流される(ハーディング現象)
「みんながやっているから」「話題になっているから」という理由で、
深く考えずに投資を始めるのも危険です。
特に新NISAは、メディアでも大きく取り上げられ、
投資初心者にも始めやすい制度として注目されています。
周りの人が新NISAを始めていたり、SNSで投資に関する情報が溢れていると、
「自分もやらなければ損をする」という心理が働きやすくなります。
しかし、投資はあくまでも自分自身のライフプランや目標に基づいて行うべきものです。
周りに流されず、本当に自分にとって必要な投資なのかを冷静に判断することが大切です。
【対策】
・周りの意見に惑わされず、自分自身の価値観や目標に基づいて投資判断を行う
・「なぜ投資をするのか」「何のために投資をするのか」を明確にする
・自分自身のライフプランやリスク許容度を考慮した、適切な投資計画を立てる
・投資に関する情報収集は、信頼できる情報源から行う
新NISAを成功させるための2つの秘訣
ここまで、新NISAで失敗しやすいパターンとその原因、具体的な対策を解説してきました。
最後に、新NISAを成功させるための重要なポイントを2つお伝えします。
1. 継続するための勉強
新NISAを始める前に、そして始めた後も、投資に関する勉強を継続することが重要です。
投資の知識を深めることで、市場の動きやリスクを理解し、適切な判断を下せるようになります。
また、感情に流されず、冷静に投資を続けられるようにもなります。
具体的には、以下のような方法で勉強することができます。
・投資に関する書籍を読む
・信頼できるウェブサイトやブログで情報収集する
・セミナーや勉強会に参加する
・投資経験豊富なファイナンシャルプランナーに相談する
2. 出口のイメージ・マイルールの設定
新NISAで長期投資を成功させるためには、投資の出口戦略を明確化しておくことが重要です。
「いつ」「どのような条件で」売却するのか、自分なりのルールを事前に決めておくことで、
感情に流されず、適切なタイミングで利益を確定したり、損失を最小限に抑えたりすることができます。
具体的なルール設定の例としては、以下のようなものがあります。
・目標金額に到達したら売却する
・特定の年齢に達したら売却する
・含み益が〇%になったら売却する
・含み損が〇%になったら売却する(損切り)
・必要な資金が生じた時に、必要な分だけ売却する
まとめ|新NISAを「始めて終わり」にしないために
新NISAは、長期的な資産形成を促すための有効な制度です。
しかし、正しい知識と戦略なしに投資を行えば、大きな損失を被る可能性もあります。
今回の記事で解説した失敗パターンと対策を参考に「新NISAを始めて終わり」にしないよう、
しっかりと準備を行い、着実に資産を築いていきましょう!
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